美容室を経営する過程のひとつに、「書類の管理」があります。
保管する書類には、法律で保存義務が定められている文書もありますし、スタッフや各店舗で管理してもらう書類もあります。
そこで今回は、『髪質改善美容室リッパーピッピ』で行っている書類管理や収納方法をご紹介します。
- 書類別のファイル方法
書類管理の基本
私は、個人で頻繁に使用する資料や文書はパソコンでエクセルを作成したり、写真や電子ファイルに置き換えて保管しています。
このように自分の手元に置いて管理しても問題がない文書を「個人文書」と言います。
お店のスタッフが使用する書類や、税理士や融資先など異業種から提出を求められる書類など、他の人も利用する可能性がある文書を「共有文書」と言います。
個人文書は自分の家や個人のパソコンで好きなように管理して構わないのですが、共有文書は利用したいときに使用する人がすぐに取り出せるように共有する必要があります。
共有文書は必要な人が取り出せる状態になっていますか。共有文書を個人が保管している状況になっていないか、一度、個人と共有の文書について見直してみましょう。
保存期間が定められている文書
文書の中には、数年間保管しておかなければいけない保存義務が定められているものがあります。
書類の管理は、保存期間が定められている文書をうっかり捨ててしまわないようにきちんと注意する必要があります。
保存義務が定められている書類について、目安となるように大まかな期間を下記にまとめてみました。
- 権利や財産に関するもの【永久保存】
登記関係、特許関係、従業員の労務、社会保険関係、固定資産など - 会社法に関わるもの【10年】
株主総会議事録(会社法318)、取締役会議事録(会社法371)計算書類や附属明細書(会社法435)など
満期または解約となった契約書※法定保存義務はないが10年が妥当と考えられる - 経理に関わるもの【7年】
課税仕入等の税額の控除に係る帳簿、現金の収受、預金通帳、源泉徴収簿(賃金台帳)、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書など - 総務に関わるもの【2~5年】
従業員の身元保証書、誓約書、雇用保険に関する書類、業務日報など
保存義務が短いものが多く溜まってしまって保管場所がいっぱいにならないように、保存期間が過ぎた文書をスムーズに処分できる状況にすることが重要です。スムーズな管理方法についてはあとで詳しく紹介します。
管理のサイクル
共有文書の管理は「整理→保管→処分」をスタッフ間で共有する必要があります。
- 分類・整理
- 保管・保存
- 処分・廃棄
- 権利や財産に関するもの【永久保存】
1.分類・整理
書類整理のポイントは、分類ごとに「タイトル」「ラベル」を記載することです。
頻繁に出し入れする書類は、簡単にわかりやすく分類できて、すぐに取り出せる状態に整理するようにしましょう。
私が実際に分類したときには、必要だと思って多めにコピーした文書や一時的にメモ書きした用紙が意外と多く挟まっていました。これらは空きスペースを狭くしますし、探す際に邪魔になるので、処分することをおすすめします。
2.保管・保存
使用頻度が高い書類と通常取り出すことのない書類、機密文書など重要な書類は、保管方法に違いがあります。
使用頻度が高い書類は、すぐに取り出せて簡単にしまえることに重点をおいて管理します。使用頻度が低い書類は、頻繁に出し入れしないので必ずしも効率的なファイル方法や身近な場所である必要はありません。
法律で保存期間が定められている文書の管理は、保存期間が開始された起算日と保存年限、保存満期日を記載しましょう。
頻繁に更新される可能性のある文書には、作成日や活用期間を記載することをおすすめします。
3.処分・廃棄
保存期間が決まっていて、通常使用しない書類は、廃棄年度が同一になるように箱詰めして、保存年限が満了したら処分するといいかもしれませんね。
書類別のファイル方法
保管するときのファイルには様々なものがあります。文書の性質に適したファイルを選ぶことで効率的に管理することができます。
文書に合ったファイルを選ぶ
文書の収納は、本のようにファイリングする「ファイル収納」と、箱などのケースに収める「ボックス収納」があります。
基本的に、「ファイル収納」は持ち運びやすいメリットがあり、「ボックス収納」は並べ替えが簡単なメリットがあります。
どの文書にどの収納が適しているのかを、詳しく見ていきましょう。
ポケットクリヤーブック
利点欠点 | 特徴 |
---|---|
メリット | 文書が汚れにくい 本のようにページをめくるので探しやすい |
デメリット | 出し入れしにくい 順番を入れ替えるのに手間がかかる 文書が少なくてもファイル分の場所を取る |
ポケット式クリヤーブックで管理するのに適している書類は、パンフレットや頻繁に変わることがないマニュアルなどです。
更新や差し替え回数が多いものや、追加されることが多くて時系列に並べる必要があるものには不向きです。
私の場合は、各店舗でコピーして使用するお客様のカウンセリングシートやスタッフの技術マニュアルなどを保管しています。
リングファイル
利点欠点 | 特徴 |
---|---|
メリット | 本のようにページをめくるので探しやすい 書類がばらけない 中間に差し込むことがスムーズ 多くの書類を綴じられる |
デメリット | 穴を開ける手間がかかる 文書が少なくてもファイル分の場所を取る |
リング式のファイルで管理するのに適している書類は、頻繁に追加され時系列で管理する必要がある文書などです。
私の場合は、3~4か月に一度まとめて綴る精算書や注文書などを一時管理する場所として使用しています。頻繁に追加するのに便利ですし、スタッフが見返すときに一時的に抜くことにもすぐに対応できます。
リング式で保管するときには、クリアポケットにまとめてから収めると、ポケット式クリヤーブックの「汚れにくい」「穴を開ける手間」がクリアされます。項目ごとにインデックスなどを付けると、より使いやすくなります。
ファイルボックス
利点欠点 | 特徴 |
---|---|
メリット | 入れるだけで管理できる |
デメリット | ラベリングの必要がある 文書が少なくてもボックス分の場所を取る 持ち運びに適していない |
ファイルボックスは書類を入れるだけなので、簡単に出し入れできます。取扱説明書など分厚いものやサイズが違うものでもまとめて管理することができます。
統一感を出すために同じメーカーのもので揃えるとキレイに見えますが、中身がわからないのでラベルを付ける手間が生じます。
私の場合ですが、角が丸みを帯びていたり斜めになっているファイルボックスもありますが、デットスペースを少なくするために角が90度になっているボックスを選びました。
個別フォルダー
利点欠点 | 特徴 |
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メリット | 出し入れしやすい 簡単に差し替えられる 穴を開けたりポケットに入れる手間がない |
デメリット | 文書がばらける心配がある 本のようにページをめくって探したいときには不便 厚みがある書類には不向き |
個別フォルダーはただ挟むだけなので出し入れが簡単です。しかし、カテゴリーを分けずに何でも構わずに挟んでしまうとその中から探すのは困難になります。
厚みがある取扱説明書などを挟むのは不向きですが、薄い説明書などサイズがバラバラなものでもまとめて保管できるので便利です。
私の場合は、光熱費関係や銀行関係の契約書と説明書などを契約会社ごとに個別フォルダーに挟んで、同じカテゴリーごとにファイルボックスへ入れています。保存義務のある文書も保存満期日を記入できるので、まとめて処分するのに重宝します。
書類の保管は、見やすく誰が見てもわかりやすいことが重要ですが、頻繁に出し入れするものなのか?保存期間が決まっているか?など用途に合わせて工夫することも大切です。
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